天性の女優がすべき3つのこと – 映画「オーケストラ」
Bunkamura ル・シネマで上映中の「オーケストラ」を見て、なかなかに感動!
ドタバタの中に、これでもかと危機を作りだすハラハラどきどきは、手口が分かっていても引き込まれてしまう。
奇跡のハッピーエンドも現実にはありえないと思いながら、映画の中にもセリフが出ててきたように、神様ならどうにかしてくれるかもと。
しかしなんといっても、究極には、チャイコフスキーの「バイオリ協奏曲」の音楽の魅力。それがたっぷり堪能できる。
バイオリニストのアンヌマリー・ジャケ役を堂々と演じていた女優さんに、見覚えがあるなとずっと映画を見ながら気になっていた。
映画が終って調べたら、一昨年2008年の暮れに公開されたセドリック・クラピッシュ監督の「Paris (パリ)」に出てた。教授と不思議な関係を持つことになるソルボンヌ大学の女子学生役で、独特の魅了をたたえていたので印象に残っていた。
そういえばメラニー・ロランて名前に覚えがあるような。
この「Paris (パリ)」も「オーケストラ」とはまた別種の、しんみりとした感動のある映画で、DVDでまた見返したいなと思う。
PARIS-パリ- (通常版) [DVD]
メラニー・ロランのことがちょっと気になったので調べたら、フランス語のWikipediaの彼女の項目の中に、ちょっと面白いエピソードが。
15,6歳のころに友人につきあってジェラール・ドパルデューの映画のロケを見に行った彼女は、そこでドバルデューの目にとまったそう。彼女の中に天性の女優を見い出したドパルデューは、3つの助言をしたという。
演劇のレッスンを受けないこと。
台本をあまり早くから読んで覚えないこと。
滑稽に見えることを絶対に恐れてはいけないこと。
「素質があるから一生懸命勉強しなさい、努力しなさい」というのは、よくある助言だが、それとは逆。天性の才のある人の自然な魅力を壊さないための助言。時々、巧いのだけど、巧さが鼻につく俳優さんっているので、それも分かるような気がする。
「オーケストラ」のフィナーレで、オーケストラと一体にになって素晴しい音楽をやりきった感動に体ごと震えている彼女を姿に、何かしら演技を越えたものを感じていたが、ドパルデューの助言はそこに繋っているかもと、そのシーンを頭の中に再生しながら思った。
世界一高額な油絵は?
世界で最も高額な油絵 The Most Expensive Oil Painting in the World というキャプションのついた絵があったので、あまり見慣れないなと思って、よく見たらなるほど。桁違いに高額といってよい。
もとネタは、
http://thebigcaption.com/post/598505433/the-worlds-most-expensive-oil-painting-original
で、
さらにそのキャプションなしのオリジナルは↓
http://www.boston.com/bigpicture/2010/05/disaster_unfolds_slowly_in_the.html#photo28
流出した原油がメキシコ湾というキャンバスに描いたもの。
確かに、これだけでまさに抽象画のようで、不謹慎だけどアートしている。
5月10日のロイターの記事によると、「英BP、原油流出事故での負担額は現時点で3億5000万ドル、320億円超」だそう。
しかも、被害額は日に日に増えており、「一部アナリストは、同社の最終的な負担額が140億ドルを超えるとも予想している。」
というと、1兆円を越えることになり、文句なしに世界一高額。
参考 : http://en.wikipedia.org/wiki/List_of_most_expensive_paintings
ダンスの衰退とダンスミュージックの衰退 in Tokyo
Twitterを見ていたら、小室哲哉の
dance musicのマーケットは20年前から激減した。pops自体が乗れるものになっているが、世界的な大都市TOKYO中心に大箱のクラブがない。NYのstudio54,ロンドンのMOS,懐古的だがベルファーレ、ジュリアナ、マハラジャ、今はクラブはポケットの中かなあ。
http://twitter.com/Tetsuya_Komuro/status/14408596253
というつぶやき。
これはほんとにそうだと思う。
問題は音楽の衰退ではなくて、日本の都会から踊るという遊びが衰退したことだというのははっきりしている。
ちょうど一年くらい前、10年ぶりくらいに、六本木のナバーナに踊りに行ったとき
一般的な感覚で踊れるディスコやクラブそのものが東京のナイトスポットでも消滅していたので、やっと気軽に大人の遊ぶところができてうれしい
http://cedric.yournext.info/2009/06/ディスコへgo週末の六本木ナイト/
と自分でも書いていたのだけど…
ツイッターってマーケットリサーチすごい。10分で、15人の意見。参考になります。ヒットの源は人のネットワークが大事だからね〜。
と、小室が続いて呟いているように、リプライがいろいろあったみたいで、ちょちょっとみてみると、確かにどれももっともな意見。
小さなクラブやクラブイベントは今でも盛んで、そんなことはない、という反論もちらほら。この反論、個人的に話していても、二十代のクラブ好きの若者からときどき聞くので、予想される意見。
確かに直近でもこんなゴージャスな単発イベントもあったりする: SOLAR FREQUENCY – Episode ONE- ソーラーフリーケンシー エピソードワン
http://www.solarfrequency.com/
だけど、ちょっと認識の前提が違うんじゃないかなと思う。
小室と私はほぼ同世代だから、その実感を共有してると思うけど、ウォーターフロントの巨大な箱で祭りが繰り広げられていた時代、六本木のスクエアビルの全フロアがクラブ・ディスコで占めれ、そのどれもがものすごい人混みだった時代、遡って、新宿のあちこちもディスコというものがあり、東亜会館なんてやはりそれ専用のビルがあって、しかも平日の、それも朝まで盛況だった時代から振り返ると、東京はほんとに踊るところがなくなったし、人々が踊らなくなったと思う。
いま、そんな場所は、カラオケボックスか居酒屋で占められていて、やはり若者でいっぱいだったりする。
確かに渋谷に行けば、クラブはいろいろあるし、クラブ好きの若者も知っているが、行く人って、20年、30年前に比べれば、若者の一部でしかないし。クラブに行かない若者に聞いてみてもそうな風に言う。
一度も踊りに行ったことのないという人が私の知る範囲で20代後半、30代初めくらいでももう圧倒的多数。そして、それは、だいたい自分の若い頃と同じプロフィールの人たち。今の大学生とその親の代で比べたら、明らかに親の代のほうが、踊りに行った経験者というのは多いはず。
学生のコンパや会社の飲み会の二次会がディスコという時代があったけど、それはもう遠い昔の話。今、カラオケボックスには行っても、踊りに行こうなんていう雰囲気はないし、だいいち行こうと思ってもその場所がない。
ある部分だけみるとクラブカルチャーってまだ盛んなようだし、中にいる人にはそうかもしれないけど、一般的な娯楽としての地位を完全に失っている。
しかもそれが10年以上、おおげさに言うとやはり20年くらい続いていると、一般的に踊りに行かない年齢層というのがぽっかりできているわけで、この空白というのはなかなか回復できないんじゃないかなと思う。
今ちょっとその巻き返しの兆しが見えるのがいいことではあるけど。
大箱としては、日比谷のラジオシティ後に、クラブ・ディスコと銘打った Dianaができた。
まあ昔の大箱に近いイメージがあって、開店当初と週末は確かに盛況なんだけど、最近、平日に覗いたらかなり厳しい状況だった。
六本木の中くらいのとこもそう。
それが今の東京のダンスシーンの実力かなと思う。
この失われた20年を回復すべく、若い人が普通にどんどん踊るような傾向が復活しないかなあ、と切望してるんだけど。
40代後半、50代前半のダンス好きの世代の子供の世代にそれがじょうずに受けつがれていくように、業界関係者はがんばってほしいなあ。
ゆるーく、おじさんもおばさんも、若者も、気分がいいときに、ほいっ!て踊りに行ける場所、そういう文化が東京にまた定着していってほしいと思う。
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